読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無職の雑記

Garbage in, garbage out.

仕事を辞めたときのこと

プロフィール
  • 去年の6月頃、仕事を辞めようか悩んでいた。元々は通勤時間を短縮したい、という気分で引越し先を探していたのだけど、「仕事を辞めれば通勤時間ゼロになる」という真理に気づいてしまい、どうしようかなと。

  • で、その頃、深夜にある工事作業の立会いみたいなんがありまして、いや、立会っていうかほんと、何のために自分がいるのか不明、という感じだったんですがともかく、「立ち会う」。でも、その工事作業をする職人の子たちーーせいぜい20代前半しかいなかったと思うんだーーの、身のこなしとかは、本当に惚れ惚れするほど見事で。鉄骨の足場が組まれていく時に立てる音なんか、音楽になる前には音っていうのはこういう感じだろうなあ、っていう。

  • 深夜だったから通行人は少なかったんだけど、いることはいて、でも彼らはその作業を見学するようなことはしなかった。もちろん、社会人としてそれは正しい反応だ。儀礼的無関心、というかね。でも私は、その儀礼において人が見落としていくものの膨大さを不意に思ったりした。

  • その日、作業を見届けたあと始発で家に帰り、寝る前、私はその作業中に考えたことーー儀礼的無関心とかーーについて、パタパタと文章を打っていた。雑感を書くのが趣味といえば趣味なので。で、唐突に気づいてしまったのだけどーー私はこの仕事を始めて以来、こんなに文章を書いていた日がない。単なる工事作業の立会いでさえ、これだけ言葉が出てくる。よく考えれば、あんな作業、日本中、いつだってどこだってあることなのに、そんなことでさえ物珍しく、楽しい。自分はその時点で2年半ほど仕事をしていたが、その期間、本当に全く何の出来事もなかったんだな。

  • 辞めよっか、と思った。おれ、この仕事してても、壁を眺めて死ぬみたいな気持ちにしかならないし。壁を眺めて楽しい気持ちになるほどシュールレアリストじゃないし。

  • で、その睡眠不足の状態のまんま、契約を管轄するのだろう人に直接に電話をかけ、「辞めます」と。

  • 思慮深さのかけらもない辞める決断だったけど、後悔は全く無い。