読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無職の雑記

Garbage in, garbage out.

知らない人についていっちゃいけません

  • 夕方、カレーか肉じゃがを作れるような食材を買って、家に買った。

  • マンションの入口のところで、変な50〜60歳くらいのババアに話しかけられた。「死にたい病にかかっていて、話を聞いてくれるだけでいいんです」的なことを不明瞭な口調でいう。はあ。えーっと、何? そうしてなんでか、その人の話を聞くためにその人の部屋に行くことになってしまう。その部屋は、自分の部屋と同じ階でーーあぁ、何かやばいのかな、とは思った。

  • 部屋は、まあ、私の部屋のほうが綺麗だしーー、何というか、人は老いて疲れるとこんな部屋になるだろう、というようなもんで、その部屋でそのババアの話を聞く。

  • 「屋上から飛び降りようと、柵を乗り越えようとしたけど、風が強くて押し返された、今日」とか、「旦那が20年前に死んで、その後につかまった男がクズで」とかーー何だかそんな話。なんだろう、これは、と思っていた。ので、相づちの一つとして「私は、目前に死にたいと、多分ですが、真面目に言っている人を始めて見ました」とか感想を述べたりした。私は、何を言って・やっているのだろう。

  • 話が尽き、何だか死ぬ気が失せたらしく、向こうの視線が私の買い物袋に向かう。じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、肉ーー。私が、「本来なら、今日はカレーか肉じゃがを作る気でいました」というと、そのババアがカレーを作ることになぜかなってしまう。カレールーがその部屋には無いので、私が自分の部屋にルーを取りに行くという謎すぎる展開にもなり。

  • ババアは、埃の積もった、20年前くらいの炊飯器でご飯を炊き、カレーを作る作業をするために包丁を持ち出し、これは良い包丁なのだと述べ、包丁のマークを私に見せるために顔の高さに包丁を上げる。私は「知らないです」と述べる。

  • 結局私はカレーを食べきり、美味しかったと述べたけれど、人生経験が決定的に自分には足らなかったなあと、思った。「知らない人についていっちゃいけません」って、こういう意味か、と。何だか、色々面倒だ。この人は私のことを多少良い人だと思っているのが分かったし、実際そう言われもした。うん。私はその人を見てもドン引きとかそういうのを全くしなかったし、普通に話を聞いたし、普通に返答したからね。その点では、良い人なんだと思う。我ながら。

  • もう帰りますね、って言って、そしたらスペアのキーを「わたしに何かあった時のために云々」と渡そうとするんで、いやいやいや、と断って、帰った。

  • いろいろ墓穴を掘ったなと、思う。社会にも人間にもつくづく、疎いなと、思った。誰が「死にたい」って言ってる赤の他人の話を聞きに部屋に付いて行く? なんだこれは。