無職の雑記

Garbage in, garbage out.

最近読んだ本(デリーロ、エーコ他、パスカル)

コズモポリス (新潮文庫)

コズモポリス (新潮文庫)

床屋に行く途中で何度かセックスしたり、葬式に参加したり、全財産を失った挙句に人を殺してみたりする、非常に忙しい1日を描いた話。何年か前にクローネンバーグによって映画化もされました。小説も映画も、オススメはしません。多分、面白く無いから。私は大好きなんですが。

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

古書に異様な偏愛を見せる、博覧強記のジジイどもの素敵な語らい。紙の本が絶滅するとかしないとか、そんなことはどーだっていいんだよ。いいから読め。ところで、この本の最終章は「死んだあと蔵書をどうするか」と題されてるけど、エーコは最近亡くなった。彼のコレクションはどうなっただろう。

パンセ〈1〉 (中公クラシックス)

パンセ〈1〉 (中公クラシックス)

パスカルの問題は神を信じることの困難だったけど、それって時代的・文化的な病気で、それを共有しない私たちにとってはどうでもいい話ーーのはずなのに、パスカルの書いてることは、身近だったりする。多分それは、パスカルのしている議論が選択と変化、その手前の逡巡と優柔不断を巡るものだから。

彼が神を信じようと提出したいくつもの議論ーー期待値の計算(パスカルの賭け)、習慣の力(彼はそれを自動機械と呼ぶ)、道徳や法というものの地域的・時代的な相対性、虚栄にまみれた人間の虚しさ、現世なんて所詮は退屈しのぎであるという話、等々ーーは、別に、神に関係なく受け取れるものではあるし、むしろ現状ってどうなのかなって、こんなんでいいのかな俺の人生、変わりたいなとか考える人が、普通に、それこそ暇つぶしに思ってしまうことでさえある。暇つぶしに思って、結局肝心なことを先送りにしてるよな、とか、そんなことも思いつつ、その思いもまた書かれている(気がする)。

この本は成熟した大人(この本の論敵であるモンテーニュとか)が書いた本ではないし、異様だったり偉大だったりする精神(ドストエフスキーとか)が書いた本でもない。未熟で小さな人が、小さなことについて書いた本。そして多くの人は成熟した大人にはなれないし、異様でも偉大でもないから、この本はきっと、多くの人にとって身近なことが書かれてるーーというのはあまりに誇張と単純化が過ぎるとしても、私は身近だなと思った。意外なほどに。